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~ 飼育が楽な動物 ~(フィクション)

その動物が我が家に来たのは一昨年の春の事だった。



娘がペットショップで『欲しい欲しい』と騒ぐので、そんなに高い代物でもなかったその動物を雄と雌のつがいで買ってきたのだった。



その動物は寒さや暑さに弱く室温管理は大変だが、綺麗好きでトイレもすぐに覚えたし比較的飼いやすい。

娘は手のひらに乗せたり散歩に連れて行ったりして可愛がってくれてるようだ。





一時は相当な数まで増えたこの動物もそのひ弱さから気候の変化に対応しきれず絶滅寸前にまで陥った事があるらしい。

ただ、飼育しやすく雄と雌をつがいで飼うとすぐ交尾して子供を産むので最近はペットショップでも普通に見かけるメジャーなペットになる程、数も増えてきたのだ。



明確な発情期が無いらしく、増やしたくない時は雄雌別々に飼わないとならないのがちょっと面倒だが、餌も何でも食べてくれるのが楽で良い。

世話と言えば、時々遊んでやって朝晩に散歩に連れて行く程度で十分だ。

慣れてくると両手を器用に使い手渡しで餌を食べてくれる愛くるしさもある。





この動物が我が家に来てからというもの静かだった我が家が明るくなった。



今夜の夕食時もこの動物の話題で持ち切りだ。





娘が私に聞いてくる。

『ねぇねぇ、どうしてこの動物は絶滅しかけたの?』





私は得意げに答える。

『それはね、この動物には毛が殆ど生えてないだろ?寒さに弱いからだよ。』





また娘が聞いてくる。

『この子たちは何年くらい生きるの?』





『上手に飼えば100年くらいは生きるみたいだよ。』

と教えてあげると、娘はちょっと切なそうな顔をして…





『たった100年しか生きられないのね…可哀想…。』

と目に涙を浮かべている。





私は優しい娘に

『けどね、私達にとってはたった100年でも彼らは私達の2000年分くらい満足してるんだよ。』



娘を抱きかかえ膝の上に乗せながら話して聞かせる。



『こんな小さな小さな生き物でも地球を支配してた事があるんだよ。不思議だよね?昔は我が物顔でこの地球上を歩いていた事があるんだもんね。この人間って動物も…。』



そんな話をすると、決まって娘は尊敬の眼差しで私を見てくれるのである…。

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( 2009.04.07 ) ( 創作 ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
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