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~ 西暦4XXX年 ~(フィクション)

『船長!遂に宇宙空間を抜けました!』



我々、人類が太陽系を抜け出す技術を見つけ出したのは3XXX年の事だった。



それから1000年近い年月を経て、今、私達は悲願であった宇宙空間からの脱出を実現したのだった。



背後に見える宇宙空間はアメーバーのように蠢きながら益々肥大化し続けている。



無理も無い。

宇宙空間が光の速度で成長している事が計画を困難にしていた一因だったからだ。







船員達は皆興奮気味だ。



しかし前人未到の宇宙空間の外側だ。油断は出来ない。



我々は注意深く宇宙空間の外側を進んでいった。





『船長!遠くに…遠くに光が見えます!!』



モニターを見つめるレーダー担当技師が興奮しながら叫んだ。



艦内の巨大モニターにその光が映し出される。



その光はまるで我々人類を希望に満ちた未来へ導くかのように輝きに満ちていた。





コンピューターの弾き出した計算によると宇宙空間の外側は光に向かって筒状の空間になっているようだった。





筒の真ん中には巨大な円柱状のものが光の方向へ延々と伸びている。





我々は光の射す出口へと次第に近づいていった。





思えばこんなに明るい光を見るのは久し振りだ。



真っ暗な宇宙空間をずっと旅してきた我々は艦内の灯り程度しか暫く見ていなかったのだ。





“何て眩しいんだ”



誰かが感動したように呟いた。



眩い光に包まれながら、ゆっくりと筒状の空間を抜け出す船体…。





我々の目に飛び込んできたのは…









草原?









…草原なのだ。









とてつもなく広大な空間にとてつもなく巨大な植物が生い茂っている。







私は思わず船の後方を映し出すモニターに目をやった。







そこには…







巨大なネズミと思われる動物が巨大な木の実を頬張っているではないか。





そう。

筒状の空間はそのネズミの毛穴だったのだ…。



巨大な円柱状の物体がネズミの毛である事に気づくまでそう時間はかからなかった。







学生時代に習った事が脳裏に浮かぶ。



毛穴の中でアメーバー状に蠢く物体と言えば…







我々は愕然とせざるを得なかった。







やっとの思いで抜け出した宇宙空間は動物の毛穴に寄生するバクテリアに過ぎなかったのだ…。





“小さ過ぎた…”





誰かがまた呟いた。



しかし今度は溜め息に近い絶望に満ちた声だった。







そう我々はあまりに…



あまりにも小さ過ぎたのだ…。

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( 2009.04.22 ) ( 創作 ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
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